
フォロワーアーム——SO-101ペアのうち実際に作業を行う側で、6個すべてが高トルク仕様のサーボで駆動されています。
TheRobotStudio、SO-ARM100 GitHubリポジトリ、Apache License 2.0SO-101が何を変えたか
ロボット学習研究のために実世界の操作データを集めるには、これまで研究室が既に持っているハードウェアに合わせて専用の装置を組む必要がありました——高価で、一回限りで、他の人が再現するのも困難でした。
SO-101は、これを標準的で低価格な基準設計に置き換えました。
- Feetech製STS3215バスサーボで駆動する6自由度。力強い高トルクのフォロワーアームと、手で動かせる軽めのリーダーアームのペア構成
- PLA+で完全3Dプリント可能。公式のDIY部品代はアーム1本で121.94ドル、リーダー・フォロワーのペア一式で229.88ドル
- コードも機構設計も、単一のApache 2.0ライセンスでまとめて公開
こうして生まれたSO-101は、3,000人規模の世界的ハッカソンの標準ハードウェアとして採用されるほど実用的でありながら、NVIDIA自身のロボット学習チュートリアルでも基準プラットフォームとして使われています。
01Koch・SO-100を経て、組み立てのしやすさを見直す
SO-101の系譜は、2つの先行アームをたどることができます。LeRobotが初めて実機ハードウェアへの対応を追加したのは2024年7月で、対象はTau RoboticsのAlexander Koch氏が設計し、プロジェクトの外ですでに電子工作愛好家の間で流通していたオープンソースのDynamixelサーボ駆動アーム「Koch v1.1」でした。その3か月後、2024年10月には、2006年創業のリヨン拠点のロボティクス企業TheRobotStudio——創業者はロボットバトル競技「Robot Wars」「BattleBots」の元出場者で、20年近く人型ロボットを手がけてきたRob Knight氏——がHugging Faceと組み、プロジェクト自身のハードウェアの節目となる「SO-100」を生み出します。Kochで使われていたDynamixelモーターを、より安価なFeetech製STS3215バスサーボに置き換えた、完全3Dプリント式のリーダー・フォロワーアームペアで、部品代は約115ドルでした。
SO-101はその後、2025年4月28日に登場します。製造パートナーとしてWowRoboに加えSeeed StudioとPartabotの2社が新たに加わりましたが、内容は全面的な再設計というより、組み立てまわりの改善が中心でした。Hugging Face共同創業者・CEOのクレマン・デランゲ氏は、Xで次のように発表しています。
「本日、The Robot Studio・Wowrobo・Seeedstudio・Partabotとの協業により、Hugging FaceからSO-101を発表できることをとても嬉しく思います。驚くほど成功したSO-100の上に築かれたSO-101は、AIを作るすべての人が最初に買うべきロボットアームです。ハードウェアもソフトウェアも完全にオープンソースで……価格は、どこまで組み立て済みを求めるか、配送先の国によって100〜500ドルです。」
この節の出典: GitHub: TheRobotStudio/SO-ARM100 · GitHub: CITATION.cff(設計クレジット) · クレマン・デランゲ氏によるX投稿(2025年4月28日) · TechCrunch (Apr 28, 2025)
02設計:同じサーボ群を、2通りに使い分ける
SO-101は、力強さを重視したアームと手で動かせることを重視したアーム——見た目は同じ6サーボ構成のペア——というSO-100の基本設計を引き継ぎながら、組み立てを面倒にしていた工程を修正しています。SO-100のリーダーアームは、取り付け前に6個のモーターそれぞれから内部のギアを物理的に取り外す必要がありましたが、SO-101では目的別に選んだ3種類の減速比に置き換えることで、どのサーボもそのまま使えるようになりました。LeRobotの中心メンバーであるレミ・カデンヌ氏によれば、組み立て時間は約20分——SO-100の公式ドキュメントが初回の組み立てに「1時間強」かかると説明していたのに比べ、大幅に短縮されています。
両方のアームとも、すべての関節を同じFeetech製STS3215バスサーボ群で駆動していますが、フォロワーとリーダーではそれぞれの役割に応じて減速比を使い分けています。
どちらのアームを制御するにも、シリアル通信のコードをゼロから書く代わりに、Hugging Faceのオープンソース`lerobot`パッケージをインストールします。
フォロワーアーム——力強さを重視
6個すべてのSTS3215サーボが減速比1/345(定格トルク5kg·cm、瞬間最大19.5kg·cm)で統一されており、アーム自身の重さとグリッパーで掴んだ物の両方を支えられます。先端は2爪の平行グリッパー爪です。
リーダーアーム——手で動かせることを重視
6個のサーボに1/191・1/345・1/147という3種類の減速比を使い分け、人の手でモーターに逆らわず各関節を動かせるようにしています。先端はグリッパー爪ではなく、フォロワー側のグリッパーを遠隔操作するための一体成形ハンドルとトリガーです。
- Hugging Faceの`lerobot` Pythonパッケージ(Python 3.12以上)と、STS3215サーボのバス通信用にFeetech SDKの追加インストール(`pip install -e ".[feetech]"`)で制御
- 専用のCLIツールが一連の工程をカバー:初回セットアップ用の`lerobot-setup-motors`/`lerobot-calibrate`、データ収集用の`lerobot-teleoperate`と`lerobot-record`/`lerobot-replay`、ポリシーの訓練・実行用の`lerobot-train`/`lerobot-rollout`
- キャリブレーションでは全関節を一度、可動域いっぱいまで動かします。これによりリーダーとフォロワー——そして別々のSO-101どうし——が同じ座標系で一致し、あるアームで学習したポリシーを別のアームでも動かせるようになります
- Linux・macOS(Apple Silicon/Intel)・Windows(WSL含む)で公式に対応を文書化

リーダーアーム——低トルクで手でも動かしやすいサーボを採用し、爪の代わりにハンドルとトリガーを備えることで、手で動かしてフォロワーを遠隔操作できるようにしています。
TheRobotStudio、SO-ARM100 GitHubリポジトリ、Apache License 2.0部品表(BOM)——リーダー・フォロワーのペアで約229.88ドル
| 部品 | 個数 | 合計(ペア) |
|---|---|---|
| Feetech STS3215 servo (3 gear-ratio variants) | 12 | $166.68 |
| Motor control board (Waveshare bus adapter) | 2 | $21.20 |
| USB-C cable (2-pack) | 1 | $7.00 |
| Power supply (5V) | 2 | $20.00 |
| Table clamp (4-pack) | 1 | $9.00 |
| Screwdriver set | 1 | $6.00 |
| 合計(ペア) | $229.88 | |
コードと機構設計(CAD/STL)はいずれも単一のApache License 2.0でカバーされており、機構設計を別ライセンスに分けている一部のオープンハードウェアプロジェクトとは異なります。
この節の出典: SO-101 公式ドキュメント · GitHub: TheRobotStudio/SO-ARM100 · GitHub: LICENSE · LeRobot インストールガイド
03完成品キットの登場、価格の推移、世界規模のハッカソンへ
価格は、どこまで組み立て済みを求めるかによって大きく幅があります。プロジェクト公式の部品表では、電子部品のみでフォロワー1本分が121.94ドル、ペア一式で229.88ドルとされていますが、発売当日のTechCrunchの報道は、実勢価格が100〜500ドルまで広がっている理由の一端を、中国製部品にかかる米国の関税に帰しています。ベンダー各社のキットは、その間を埋める価格帯です。Seeed Studioの電子部品のみのキットは、発売時の220ドルから2026年半ばまでに240ドルへ値上がりし、PartaBotやWowRoboの完成品ペアは299〜479ドルです。
SO-101が最大の見せ場を迎えたのは2025年6月14〜15日、Hugging Faceが開催した「LeRobot Worldwide Hackathon」でした。単一の週末に全大陸で100件超のローカルイベントが同時開催され、3,000人超の登録参加者がSO-101アームとSmolVLAを組み合わせてポリシーを構築・学習させ、優勝作品はHub上で誰でも見られる形で公開されました。
公式DIY(GitHub部品表)
プロジェクト公式の部品表によれば、フォロワー1本分の電子部品代は121.94ドル、リーダー・フォロワーのペアで229.88ドルです(部品を個別に調達した場合)。3Dプリント用フィラメント代は含みません。
WowRoboのキット
3Dプリント済みパーツとサーボ12個(自分で組み立て)が199ドルから、カメラ付きで完成品のリーダー・フォロワーペアが299ドルまで。
Seeed Studio・PartaBot
Seeed Studioの電子部品のみのキットは、発売時の220ドルから2026年半ばまでに240ドルへ値上がりしました(別途、3Dプリント済みパーツ代が約35ドル)。PartaBotの完成品ペアは最高479ドルです。
この節の出典: TechCrunch (Apr 28, 2025) · GitHub: TheRobotStudio/SO-ARM100 · Hugging Face公式: LeRobot Worldwide Hackathon
04位置づけ:拡大するスタックの基準アームとして
Hugging Face自身のSO-101組み立てガイドは、これを「私たちの旗艦ロボット(our flagship robot)」と呼んでおり、その上に築かれたエコシステムもそれを裏付けています。SmolVLAの学習データはSO-100/SO-101のコミュニティデータセットも一部利用しており、NVIDIAのIsaac GR00T公式ドキュメントはSim2Realチュートリアルの基準アームとしてSO-101を採用し、コミュニティの開発者たちはこれを新しい形態へと発展させています。
本稿執筆時点で、後継機(「SO-102」のような番号違いの製品)は発表されていません。代わりに2026年のハードウェアのニュースは、アーム自体の改良ではなく外へと広がっています——2026年5月には2,500ドルのオープンソース二足歩行ロボット「LeRobot Humanoid」、2026年7月にはNVIDIAのIsaac GR00T 1.7・Isaac TeleopのLeRobotへの統合が進みました。SO-101は、低価格で再現しやすいプロジェクトの入り口としての役割を保ち続けています。
- Hugging Faceの小型VLAモデル「SmolVLA」は、SO-100/SO-101のコミュニティデータセットも使って事前学習されている
- SO-100/SO-101アーム2本をカート型ベースに搭載した、コミュニティ製のデュアルアーム家庭用移動ロボット「XLeRobot」は、2025年5月の公開から1年足らずでGitHubスター4,800個超を獲得
- NVIDIA公式のIsaac GR00Tドキュメントは、Sim2Realのロボット学習チュートリアルの基準アームとしてSO-101を採用
2025年6月に開催された「LeRobot Worldwide Hackathon」の、Hugging Face公式によるキックオフ動画。7大陸100件超のローカルイベントが同時開催され、SO-101は参加者3,000人超の標準ハードウェアになりました。
この節の出典: SO-101 公式ドキュメント · GitHub: Vector-Wangel/XLeRobot · NVIDIA公式チュートリアル: SO-101 · Hugging Face公式ブログ: LeRobot Humanoid
05年表
| 日付 | 関係組織 | 出来事 |
|---|---|---|
| 2024-07 | Hugging Face | LeRobotがKoch v1.1アームへの対応を追加——プロジェクト初のハードウェア対応 |
| 2024-10 | TheRobotStudio | SO-100が登場——部品代約115ドルの3Dプリント式リーダー・フォロワーアームペア |
| 2025-04-28 | Hugging Face | TheRobotStudio・WowRobo・Seeed Studio・Partabotとともに「SO-101」を発表、価格100〜500ドル |
| 2025-06 | Hugging Face | コミュニティのSO-100/SO-101データセットも使って事前学習した「SmolVLA」を公開 |
| 2025-06-14 | Hugging Face | 「LeRobot Worldwide Hackathon」開催——7大陸100件超、参加者3,000人超がSO-101を使用 |
| 2026-02 | Hugging Face | LeRobotの中核ライブラリに関する学術論文をarXivに公開 |
| 2026-05 | Hugging Face | オープンソースの二足歩行ロボット「LeRobot Humanoid」(2,500ドル)を発表 |
| 2026-07 | NVIDIA | 「Isaac GR00T 1.7」と「Isaac Teleop」がLeRobotに統合 |
06よくある質問(FAQ)
Q.SO-101とは何ですか?
A.SO-101は、Hugging FaceとTheRobotStudioによるオープンソースの6自由度ロボットアームで、遠隔操作によるデータ収集用に、対になったリーダー・フォロワーのペアとして販売されています。PLA+で完全3Dプリント可能、Feetech製STS3215バスサーボで駆動し、価格はどこまで組み立て済みのキットを買うかによって約100〜500ドルです。
Q.誰が、いつ作ったのですか?
A.TheRobotStudio(創業者Rob Knight氏)とHugging FaceのLeRobotチームが、2024年10月のSO-100アームの改良版として、2025年4月28日にSO-101を発表しました。
Q.SO-101の価格はいくらですか?
A.プロジェクト公式の部品表によると、部品代のみでフォロワー1本分が121.94ドル、リーダー・フォロワーのペアで229.88ドルです。WowRobo・Seeed Studio・PartaBotなどのベンダーが販売する完成品キットは、約199〜479ドルの幅があります。
Q.どのソフトウェアで動きますか?
A.Hugging Faceのオープンソース`lerobot` Pythonライブラリ(Apache 2.0)で動作し、キャリブレーション・遠隔操作・データセット収録・ポリシー訓練それぞれに専用のコマンドラインツールが用意されています。LeRobotが対応する他のハードウェアとも共通のスタックです。
Q.LeRobotライブラリが対応するロボットアームはSO-101だけですか?
A.いいえ。LeRobotは、SO-101の元になったKoch v1.1アームや、Hugging Face自身がPollen Robotics経由で持つヒューマノイド「Reachy 2」「Reachy Mini」など、対応ハードウェアのリストは拡大を続けています。SO-101は公式ドキュメントで「旗艦」と位置づけられた基準アームであり、唯一の対応ハードウェアではありません。
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